COLUMNコラム

2023.4.19

人口爆発に地球が追いつかない

人口爆発による弊害

産業革命によって地球の人口の増加が支えられて来ました。その結果、急激な人口増加、いわゆる人口爆発を迎えます。これに伴い、人類の文明もさらなる発達を遂げた反面、ここに来てこの構造に限界が来ています。産業革命と人口爆発における大きな要因は化学肥料と化石燃料の獲得です。これにより人類は水と食料と熱を安定的に得ることに成功しました。いわば地球という虫かごで人類は急激な子孫繁栄を可能としたのです。しかしあまりに増えすぎた地球人口に地球自体が追いつかない現象が今起きています。

日本が直面するリンの枯渇

特にリン鉱石の枯渇が憂慮されています。リン鉱石は化学肥料の一部で食料生産に欠かせません。このリン鉱石が向こう30年ほどで枯渇するという予測がされている中、資源保有国は中国、アメリカ、モロッコといった一部の国に限定されています。リン資源を保有していない日本にとってはいつ流通が止まってもおかしくないため、食料安全保障の観点からもこのリン資源をどのように確保していくかということを考えていかなければなりません。

タンパク質クライシス

また人口増加を支える上で大きな役割を果たしているのがタンパク質です。タンパク質は人間が生きていく上で欠かせない栄養素であり、タンパク質の枯渇も非常に懸念されています。実際に2005年から2050年まででタンパク質の必要量は2倍になると予測されており、2.4%/年の割合で需要量は増加の一途をたどっています。需要が供給を上回るタンパク質クライシス2025年から2030年には起こるとされているのです。対策の一つとして養殖が期待されていたのですが、近年は養殖の餌となる魚粉の高騰も相次いでおり、昆虫を使った飼料の開発など食料生産だけでなく、飼料の開発も合わせて取り組んでいかなければいけない状況となっています。

新しい社会システムの構築へ

1700年には6億人ほどだった地球人口は産業革命を経て、1800年に10億人ほどの人口になりました。1900年には16億5000万人、そしてそこから急激な人口増加を遂げています。この産業革命自体が今限界を迎えています。そのためにはリニアエコノミーと呼ばれる化石燃料と化学肥料に依存した経済から、新たな産業革命を通じて循環型社会へと移行することが求められているのです。

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