COLUMNコラム

2023.8.23

止まらないプランクトンの死滅③

プランクトンの死滅の解消に向けて

 

それではこうした海洋の酸性化はどのように解決すれば良いのでしょうか。

 

鍵となるのは今度は植物性プランクトンです。

 

植物性プランクトンは動物性プランクトンの餌として存在するわけですが、同時に光合成を行なって海中の二酸化炭素を分解、炭素として体内に貯めていきます。

 

この二酸化炭素を炭素として貯蔵した植物性プランクトンを動物性プランクトンが食べ、食物連鎖していく中で、当初植物性プランクトンの中にあった炭素は糞として捕食者から排泄されます。

 

この糞は深い深い海底に堆積するのですが、太陽光の届かない海底では微生物による分解も行われず、そのまま海底で眠り続けることになります。

 

このようにして植物プランクトンを起点に海底に二酸化炭素を封じ込める仕組みを「生物ポンプ」と呼び、これが地球温暖化、海洋酸性化対策として期待されている方法です。

 

生物ポンプによる課題解決

 

すでに中東では国連の主導のもとマングローブの植林が進んでいます。

 

マングローブもまた光合成を行い、葉に炭素を貯め、その葉が海底に堆積することで二酸化炭素の封じ込めを行います。

 

この方法ではおおよそ年間14億トンもの二酸化炭素の削減効果が試算されており、これは日本の一年間の排出する二酸化炭素量とほぼ同量です。

 

日本でも生物ポンプによる環境対策は進んでおり、さらなるイノベーションが期待されます。

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