COLUMNコラム

2023.8.26

日本の食料自給率は本当に低いのか

 

 

■ 日本の食料自給率は本当に低いのか

 

 

現在日本の食料自給率はカロリーベースで38%(農林水産省発表)となっており、これだけみると日本の自給率の低さが顕著です。

 

 

しかし日本の食料自給を語る前にこの食料自給率そのものの算出の仕方について考えてみましょう。

 

 

国民一人当たり国産熱量/国民一人一日当たり供給熱量×100

 

 

こちらがカロリーベースの食料自給率の算出式になります。

 

 

ここで念頭に置かなければいけないのは、日本における①国内生産は農作物がメインであること②フードロスが計算式に含まれるという点です。

 

 

①に関しては記した通り、日本の国内生産は農作物がメインになるため、カロリーベースで考えたときにはどうしても算出量は少なくなってしまいます。

 

 

また輸入した家畜は国内原料を餌に成育してもそれは海外の食品扱いとなります。

 

 

つまり日本においては国内自給率の大半は野菜が占めているということになります。事実、生産額ベースでみると全体で66%、野菜に限ると77%の自給率となっています。

 

 

②に関しては算出式の分母にあたる供給熱量は、日本において供給された全ての食物の熱量を国民の数で割ったものとなり、食品ロスも供給量としてカウントされる以上どうしても大きくなってしまいます。

 

 

そのため生産量を上げるだけでなく、食品ロスを減らしてもが食料自給率を上げることは可能です。

 

 

こうしてカロリーベースの特性を踏まえて38%という数字をもう一度見ると、自給率は農作物は一定水準に達しているものの畜産分野では低く、それゆえ天候不順、異常気象による農作物の被害リスクが高い国であることがわかります。

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