COLUMNコラム

2023.6.5

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とESG経営

GPIFとは

 

GPIF(Government Pension Investment Fund、日本の年金積立金管理運用独立行政法人)は、世界最大の機関投資家として知られています。

 

 

 

その運用方針は、全世界の投資家に影響を与えるほどの力を持っています。

 

 

 

その中でも注目されているのが、GPIFのESG(環境、社会、ガバナンス)経営に対する取り組みです。

 

 

GPIFとESG

 

GPIFは、2015年にPRI(責任投資原則)に署名し、ESG投資への関心を高めました。

 

 

 

これは、企業の環境配慮、社会貢献、適切なガバナンスの3つの要素を評価し、投資先を選定する手法であり、企業の持続可能な成長を促進することを目指しています。

 

 

 

 

GPIFは、運用資金の性質上、社会全体の環境問題や社会課題への対処を促す投資が社会的責任と理解され、ESG投資を積極的に推進しています。

 

 

 

その一環として、運用委託先の金融機関に対してESGを考慮した運用やエンゲージメントを求めたり、ESG指数に連動するパッシブ運用を導入したりしています。

 

 

 

 

しかし、企業年金におけるESG投資は、GPIFと比較してまだ発展途上であると言えます。これは、企業年金がESG投資を導入する動機に乏しく、ESG投資に割けるリソースも限られているためです。

 

 

 

しかし、最近では、企業年金の運用にESG投資を取り入れる動きが急速に広がっています。

 

 

 

今後の展開

 

 

 

日本政府は昨年、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、脱炭素化を経済成長に繋げる方針を打ち出しています。

 

 

 

これに伴い、企業のESGに対する取り組みは一段と強化される方向にあります。

 

 

 

企業年金においても、ESGを重要視する母体企業の方針を踏まえて、ESG投資を検討する動きが強まることが見込まれます。

 

 

 

 

また、ESG投資と一言にいっても、運用プロダクトごとに運用目的や投資戦略、タイムスパンは異なり、ESG評価の視点や方法も様々です。

 

 

 

そのため、ESG投資の採用にあたっては、自らの運用方針や採用目的に合致するかについてESGの観点を含めた確認が必要であり、予め運用プロダクトを適切に見極められるような選択眼を養っておくことが大切と言えます。

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